1.転職活動を始めるまで
私は新卒で東証一部上場、創業数十年の老舗繊維商社に就職しました。
その商社は、ヨーロッパのファッションブランドを40年以上に渡り日本に輸入・独占販売し、
そのノウハウを活かしてライセンス商品の企画生産も行ってきた企業です。
その中で、私は百貨店や駅商業施設への営業として全国の一番店を長年担当するなど
営業としては順調にキャリアを積み重ねていました。
しかし、ファストファッションブランドやECの台頭により、
アパレル業界全体の売上高は減少、
それに併せて勤務先の経営状態も年々悪化していました。
2.突然の転勤・単身赴任
そのような状況下、これまでの実績が評価され、ある日、突然異動令が。
それまでの国内営業から、
ブランドのライセンス業務を管理する会社の中枢部署へ異動となりました。
しかし、当時は東京在住でしたが、異動先の勤務地は大阪だったため、
生まれて初めての単身赴任を体験することに。
仕事は充実し、年収も大幅に上がったものの、
当時子供が幼稚園でかわいい盛りだったこともあり、
子供の成長を見守る事を犠牲にしての仕事・生活に疑問を感じるようになっていきました。
3.希望退職への応募・退職
また、既述の単身赴任生活への疑問に加え、
ポスト・年収的など総合的にみても将来性に不安を感じる事が増え、
キャリアに対する不安は日に日につもっていきました。
そんな中、希望退職制度が導入されたのを機に退職を決意。
その決定から転職活動をスタートしましたが、引き継ぎを含めた業務で多忙を極めたこと、
また、大阪在住で面接での上京が困難だったため、
転職先の決定には至らないまま退職となりました。
4.転職活動スタート
退職し年明けに帰京後、希望条件を
・『年齢的に最後の転職にしたいので長く勤められる会社』
・『アパレル業界以外』
・『年収は前職以上』と設定し本格的に活動をスタートさせました。
複数社に登録し活動を行ったので、
以下に私の活動履歴や各社の特徴を述べていきたいと思いますが、
まずは、エージェント利用に関する私の全体的な考えをお伝えしておきたいと思います。
(1)活動の効率化が可能
転職を決意した後、僅かな期間だけ自分自身で転職活動をおこなっていましたが、
求人案件の検索や応募、日程調整などに想像以上に時間と労力を費やした経緯があり、
知人の勧めもあって転職エージェントを利用しての活動を決めました。
エージェント利用のメリットのひとつは、
応募書類を1度登録すれば、
転職希望先へのエントリー含めたアレンジを代行していただけることだと思います。
その時間と労力を、自己分析や面接対策に費やした方が効率的であることは間違いないでしょう。
(2)職務経歴書の添削を依頼出来る
書類選考通過の為にも、各社キャリアアドバイザーによる添削をお勧めします。
キャリアアドバイザーは、多くの方の職務経歴書を見ているので、
自身の経歴書に不足している情報や掘り下げるべきポイントを明確にしていただけますし、
各キャリアアドバイザーで得意な分野も異なるので様々な観点で意見がいただけます。
私自身、職務経歴書を添削いただいた後の書類選考通過率は飛躍的に上がったので、
効果は大きかったと思います。
(3)成果主義が行き過ぎた人材紹介会社ではないかをチェックすべき
個人成果主義を掲げている人材紹介会社のキャリアアドバイザーは、
短期間で転職を成功させて成約件数を増やそうと、
転職希望者を商品のように扱う傾向が強いように感じました。
(特に外資系エージェントに多かったです。)
キャリアアドバイザーから市場価値が高いと評価されれば紹介を多くもらえるようなのですが、
私は市場価値が低いと評価されたようで、初回面談の後にいくつか紹介をいただけたものの、
その後は放置されてしまいました。
こういう対応は無駄が無いと言うメリットが有るかも知れませんが、個人的には気分が良くありませんでした。
エージェントの対応はチェックしておいた方が良いと思います。
(4)キャリアアドバイザー個人との相性が最重要
各社様々な転職支援サービス・求人を展開していますが、
結局は自身に合った信頼できるキャリアアドバイザーと出会えるか否かが、
転職活動を大きく左右すると考えています。
カウンセリング力などスキル的な部分もありますが、
不安に苛まれる転職活動において、親身に相談に乗ってくれる方の存在は大切だと思います。
また、必然的に信頼できるキャリアアドバイザーとのやり取りは増えていくものなので
紹介案件の質・希望に対するマッチング精度の向上など、
転職活動を成功させる為にも不可欠だと考えています。
企業としては信用しているので利用を続けたいが、
キャリアアドバイザーとの相性が合わない、と思ったら、
躊躇なく担当の変更をお願いするべきだと思います
5.各社の特徴
続いて、各社での活動内容や感じた事を述べていきたいと思います。
① 日系大手エージェントA
―web登録後、電話にて30分程度の面談
―担当のキャリアアドバイザー 40-50代女性?
友人・知人など周囲に利用している方が多い有名な会社という事で、最初に登録を行いました。
電話面談のあと、初回は多くの案件をいただきましたが、その後は自動送信のメールのみとなりました。
ご担当には、提案求人が減っている事を相談しても、
『初回が最も多く、その後は減少するのは仕方ない』と絶えず事務的な回答で、
1カ月程度で連絡がなくなり、私もサイトで求人を検索する程度の利用になりました。
電話面談のみでは、希望条件など必要最低限のやり取りだけになり、
お互いのキャラクターが伝わらないのでやり取りは淡泊になってしまう印象でした。
ただ、各地で実施されている外部講師による面接セミナーは無料で内容も実践的で、受講して良かったです
② 日系大手人材紹介企業B
―web登録後、霞が関のオフィスにて60分程度の面談
―担当のキャリアアドバイザー 30代後半男性
ご担当者が流通業出身で入社間もないということで、
とても熱意をもってご対応いただいたと思います。
求人も定期的にいただけましたが、他社に比べると件数は少なかったです。
また、職務経歴書の添削や面接対策などソフト面のサービス提案がなかった事も気になりました。
ご担当者のお話では、派遣部門からの異動も多いという事だったので
転職エージェントとしての専門性は若干低いのかなという印象を持ちました。
③ 外資系有名エージェントC
―web登録後、神保町のオフィスにて40分程度の面談
―担当のキャリアアドバイザー 30代前半男性
外資系企業やミドル・ハイクラス向けた転職に強いとの口コミを聞き登録を行いました。
ご担当者との初回面談時に、中途入社の新入社員が研修という名のもと断りもなく同席されました。
初回面談時はセンシティブな相談もあるのでご遠慮いただきたいなと感じました。
求人に関して、面談直後には外資系企業を中心に年収も申し分ない提案をいただきましたが、
私が書類選考を通過しない事が多いとわかると一気に紹介件数が減り、
担当からの連絡もなくなりました。
私自身が「商品として価値があるか」を品定めされている感じが露骨に伝わってきて、利用しなくなりました。
外資系エージェントはこのような傾向があると思うので、
スキルの高い方にはフィットすると思いますが、
私のように特別なスキルや専門性をもっていない人では、
うまく活用できないと感じました。
④ キャリア・リエゾン・パートナーズ様
―web登録後、横浜のオフィスにて60分程度の面談
―担当のキャリアアドバイザー 30代後半男性
経験8年程の男性の方で、丁寧にご対応いただきました。
職務経歴書のブラシュアップでは、ターゲットとする企業・ポジションに併せて
魅力的に映るであろう箇所をブラッシュアップし、内容に厚みを出すよう指示を頂きました。
「御自身の取扱ったブランドが、他業界の方にも理解しやすいよう、職務経歴書に画像の挿入などもしてみては?」
という他社からは得られなかったご提案もいただきました。
求人の量は多く無かったものの、定期的に新規紹介をいただくことが出来、
加えて、担当者不在時でも違う方の対応がしっかりしていたので
チームでの運営が徹底されているとの印象を受けました。
6.三か月が経過、エージェントから連絡が少なくなる
既述の通り、各社エージェントを利用し転職活動を続けましたが、
内定には至らず3カ月が経過しました。
(約200件応募→書類通過15件前後と通過率7.5%程度と記憶しております。)
そこまで長引くと、各エージェントからの紹介数減はもちろんの事、連絡自体が来なくなりました。
気持ち的にも『社会に必要ない人間なのではないか』と落ち込み、家族を養う事を考えても辛い時期でした。
そのような時期にも根気強くフォローいただいた、
キャリア・リエゾン・パートナーズ様に絞って転職活動を続けました。
7.根気強いフォローのキャリア・リエゾン・パートナーズ
キャリア・リエゾン・パートナーズのご担当者は不安に苛まれる私の気持ちを汲み取っていただき、
求人紹介以外でも寄り添っていただきました。
カウンセリングも何度も実施頂き、異業種に転職を成功されたミドルの方のお話を伺い気持ち的に楽になり、
しっかりと転職活動に取り組んでいこうと思えました。
このような精神面のカウンセリングもエージェント利用のメリットだと思います。
また、面接前には無料の「面接ロールプレイングサービス」を受講しました。
こちらのサービスは、担当者が入室から面接、退室までを
面接官としてロールプレイングしてくれるというものです。
自身では気づかない会話の際の癖や、受け答えでの改善点を明確に指摘してもらうことが出来、
役に立ちました。
とはいえ、実際の面接では連戦連敗。
万全を期して面接には臨いはしましたが、不採用が続きました。
その際も、不採用となったポイントを先方にこまめに確認、
フィードバックをいただき、改善案と励ましをいただくなど、
キャリアアドバイザーの方には本当に感謝しています。
8.六カ月で大手流通業が手掛ける合弁会社に転職
根気強く二人三脚で活動を進めた結果、
無事に大手流通業が設立した合弁会社への転職に成功しました。
前職の上場企業に比べ、小さな規模の会社という事で年収・福利厚生など条件面では劣りますが、
新しい組織という事で皆が比較的フラットな関係です。
業務面では、ある程度の裁量を与えられているのでやりがいを持って日々業務に取り組めています。
前職では、上司の顔色を気にしながら業務を進める事が多かったですが、
現在は会社にとって何がベストなのかのみを考えて業務に取り組めており、本当に充実を感じて居ます。
転職活動では、色々と悩み苦労もしましたが、
今のような心境で業務に取り組める環境に転職できたのも、
全てキャリア・リエゾン・パートナーズのキャリアアドバイザーの方のお陰だと感謝しています。
9.転職を考えている方へのメッセージ
私は、転職活動をスタートしてから職務経歴の整理を行いました。
そこで感じた事は、一生懸命に取り組んできたはずなのに経歴として書ける事が少ない事です。
皆さんには転職をする・しないに関わらず、半年ごとに自身の仕事の棚卸を行うことをお勧めします。
自身の業務を振り返り文字におこすことにより、
日々の業務が可視化され客観的な感覚を持てるので、
日々の仕事への取り組み方が大きく変わると思います。
仕事の価値観は人それぞれですが、時間は全ての人に平等です。
それを日々意識して仕事に取り組むことは豊かな人生に直結すると思います。
ぜひ、1日1日を大切に過ごしていただきたいと思います。