「楽しいかどうか」は、仕事選びの重要な基準
内閣府の調査(※)によると、理想的な仕事の条件についてアンケートを実施したところ、「自分にとって楽しい仕事」と答えた人は51.9%もいたそうです。
おおよそ2人に1人が、「楽しいかどうか?」を仕事選びの条件にしていることがわかります。
特に10代・20代・30代の間では、「自分にとって楽しい仕事」と答えた人の割合が高い傾向にありました。
若い世代を中心に、多くの人が仕事に楽しさを求めており、それが仕事選びにおける重要な基準となっています。
※参考:国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)|内閣府
「楽しい仕事じゃないから辞める」は正しいのか?
転職を考える際、仕事が楽しくないことが退職の理由になる場合があります。
この「楽しくないから辞める」という考え方は正しいのでしょうか。
仕事が楽しくない理由
仕事が楽しくないと感じた場合、まず「何が原因か」を振り返りましょう。
客観的に見ると、仕事内容以外のことが原因となっているかもしれません。
・スキル不足
仕事で成果を上げるためには、スキルを身につけることが必要です。
スキル不足だと、できる仕事が限られ、満足感を得られなくなります。
また、仕事が上手く進まなくなると、悩み始めることもあります。
逆に、好きなことを仕事にしていなくても、スキルを身につけて成果を上げられれば、仕事が楽しくなり、更にスキルアップに励むことができるようになります。
・キャリアプランがない
キャリアプランやビジョンを持つことは、前向きに仕事を続ける上で重要です。
キャリアプランやビジョンがないと、ただ漠然と毎日仕事をこなすだけになり、その結果、「仕事に対する意欲が湧かない」「やりがいがない」「将来性がない」と感じるようになります。
・人間関係がうまくいっていない
会社で働くなら上司や部下、同僚、取引先の人などと連携を取って仕事を進めることが不可欠です。
しかし、人間関係がうまくいっていない場合、仕事がつまらないと感じることがあります。
報告・連絡・相談をはじめとする最低限のコミュニケーションを取らないと、ミスやトラブルにつながり、仕事が円滑に進まず、つまらなくなっていきます。
・プライベートが充実していない
プライベートが充実していると、仕事に対しても前向きになり、楽しむことができます。
仕事とプライベートの両立は重要で、プライベートで悩みを抱えていると、仕事に集中できず、ミスやトラブルを引き起こすことがあります。
一方、仕事とプライベートの両方が充実していれば、どちらの面にも良い影響を与えることでしょう。
今の仕事を楽しむための視点とアプローチ
自身が楽しいと感じる仕事をするためには、まず自分の考え方や行動を変える必要があります。
ポジティブな視点で仕事に取り組む習慣を身につけることが重要です。
以下では、楽しい仕事につながる考え方やアプローチを紹介します。
・モチベーションの低下の原因を見つける
自分が仕事に対してモチベーションが低い理由を明確にすることが大切です。
自分が楽しめない理由として、「単純作業が多い」「報酬に不満がある」「人間関係に問題がある」「仕事内容が自分の性格に合わない」などが考えられます。
理由を把握することで、改善策を考えることができますし、転職を検討する際には、これらの理由を次の職場の条件に反映させることで、同じ問題を回避できるでしょう。
・未練を残さない
自分が本当にやりたいことではないと感じるなら、転職は大きな転機になるでしょう。
仕事の条件としては、「仕事内容」を優先したいのであれば、待遇や環境、企業の知名度がどれほど素晴らしいものであっても、自身が本当にやりたいと思える仕事でなければ、心が充たされることはありません。
憧れの仕事ややりたいことがあるのであれば、勇気を持ってその職種に挑戦してみることをおすすめします。
仕事内容に満足すれば、楽しく働くことができるかもしれません。
・成果を出すこと
仕事で成果を上げて周囲から認められると、自然と楽しさを感じるようになります。
自分がやりたくないと感じることにも躊躇せず、最初は小さな目標を見つけて少しずつ頑張ることで、成果を出す可能性が高まります。
仕事が順調に進み、周囲から感謝や必要性を示されると、自分の存在意義を確認でき、前向きな姿勢で仕事に取り組むことができるでしょう。
楽しい仕事の見つけ方
自分にとって本当に楽しいと思える仕事を見つけるには、具体的にどうすればいいのでしょうか。
ここでは、「WILL-CAN-MUST」というフレームワークに沿って、楽しい仕事の見つけ方を紹介します。
・「したいこと」を考えてみる(WILL)
まずは、自分が今やってみたいこと(WILL)を考えてみるのがポイントです。
例えば、「ゲームに関わる仕事がしたい」「クリエイティブな仕事がしたい」といった具体的な例が挙げられます。
自分が興味や憧れを感じている仕事は、従事することで満足感を得やすいでしょう。
心の動く方向を探してみることが、楽しい仕事選びのきっかけになります。
・「できること」を考えてみる(CAN)
次に、自分のできること(CAN)を考えてみましょう。
例えば、「人とのコミュニケーションが得意」「論理的な分析が得意」といった具体的なスキルや特性が挙げられます。
自分の得意なことを仕事に活かすことで、周囲から頼られる有能感や喜びを感じることができ、楽しさに直結することもあります。
楽しい仕事に巡り合うためには、自分の強みを分析してみることも有効です。
・「すべきこと」を考えてみる(MUST)
最後に、人や社会から求められていること(MUST)を考えます。
例えば、「会社から管理職になってほしいと言われている」「チーム全員で目標達成を目指している」といった具体的な要求が挙げられます。
周囲からの期待に応えながら働くと、仕事も自然と楽しくなります。
責任や役割に目を向けることも、楽しい仕事を見つける第一歩です。
以上が、「WILL-CAN-MUST」というフレームワークを活用した楽しい仕事の見つけ方です。
自分の意欲(WILL)、能力(CAN)、社会的な要求(MUST)をバランス良く考慮すると、理想的な仕事に出会える可能性が高まるでしょう。
楽しい仕事を見つけるには、人に相談するのも効果的
人によって、楽しいと思える仕事は異なります。
社会に貢献することが楽しいと感じる人もいれば、収入を増やすことが楽しいと考える人もいます。
まずは自身の興味や関心、そして得意なことなどを再評価し、自分にとって楽しい仕事の方向性を見つけることから始めましょう。
ただし、こういった自分の適性や価値観については、一人ではなかなか気づきにくいこともあります。
この点、他の人からのフィードバックやアドバイスを受けることで、予想外の強みや想いを発見することもあります。
そのため、知り合いや友人、家族、転職エージェントなどの第三者に相談してみることをおすすめします。
他人の視点や経験を取り入れることで、新たな視野が広がり、自分に合った仕事の可能性を見つけることができるかもしれません。