自由な働き方とは?
まずは、「自由な働き方」の定義から始めましょう。
自由な働き方とは、ただ怠惰に過ごすだけでなく、自分の好きなことや得意なことを活かして仕事をし、会社や上司に時間や場所を縛られず、自分自身で仕事とプライベートを調和させていく働き方のことです。
不自由な働き方と自由な働き方を比較すると、以下のような特徴があります。
【不自由な働き方】:
・会社や上司に嫌な仕事を押し付けられている
・会社に依存しており、会社の収入がなければ生活できない
・働く時間や場所に制約がある
・経済的に不安定な状況
【自由な働き方】:
・自分自身が仕事に積極的に取り組み、楽しんでいる
・会社に依存せず、自身の収入源を持っている
・働く時間や場所に制約がない
・経済的に安定している
自由な働き方では、会社と個人が対等な関係にあります。
個人は自身の能力を会社に提供し、会社はその成果に対して報酬を提供します。
個人は報酬を得ながら、会社のリソースやプラットフォームを活用し、自己成長を楽しむことができるのです。
自由な働き方を実現している人々は、確かなスキルを持ち、会社に依存せずに自立しています。
そのため、必要に応じて起業することも可能であり、精神的な制約もありません。
自由な働き方では、働く時間や場所に制約がありません。
完全裁量労働制の下で成果が重視されるのです。
実際、このような働き方を推進する企業も増えてきています(ただし、優秀な人材のみが受け入れられる場合もあります)。
ただし、自由な働き方を実現していると言っても、単に会社に縛られていないだけではなく、安定した収入を得ていることも重要な要素です。
ただし無計画に仕事を辞めてアルバイトなどで働きながら自由に働くというのは、自由な働き方の定義には含まれません。
以上が「自由な働き方」の定義です。
この自由な働き方を実現するために、20代で取り組むべき8つのポイントを、私見を交えてご紹介します。
1.就職・転職人気企業ランキングの意義についての認識
まず最初に述べておきたいのは、就職・転職の人気企業ランキングは実際には意味を持たないということです。
もしもあなたが就職・転職の人気企業ランキングを見て、上位にランクされている企業に順番に応募しようと考えているのであれば、今すぐその考え方を見直すことをお勧めします。
リクルートが就職・転職人気企業のランキングを実施しないと決定したのは2011年のことですが、それから6年が経ち、時代や人々の価値観は変化し続けています。
確かに、上位にランクされる企業は高給与や優れた福利厚生、良好な職場環境を提供していることは事実です。
ただし、ランキングを盲目的に信じて、上位にランクされる企業が自分に合っていると結論づけることは避けるべきです。
本当に重要なのは、「あなたの価値観が何を求めているか」ということです。
自分自身が本当にやりたいことや得たいもの、理想とする働き方や生き方を明確にし、その基準に基づいて企業を選ぶことが最も重要なのです。
自由な働き方を望むなら、能力を持たないまま自由な働き方ができる会社に直接就職・転職するのではなく、能力を磨くことができる別の会社に一旦就職して、そこでスキルを磨いた後にチャレンジする方が良いでしょう。
人気のある企業に入社するだけでなく、深く考えずに選択すると自由な働き方は遠のいていくことになります。
繰り返しますが、重要なのは「自分の価値観」です。「他人の価値観」に基づいた就職・転職人気企業ランキングに自分の人生を委ねてしまうべきではありません。
2.20代での給与を基準に会社を選ばない
初任給や20代の給与が高いからといった理由で会社を選ぶことは避けましょう。
残念ながら、20代の給与を重視して会社を選んだ結果、30代以降に苦労する人も存在します。
20代の仕事選びは「自らの意思で選ぶ仕事」であるべきです。
自分が大好きで仕方がない仕事や、身につけたいスキルを身につけられる仕事といった、自分自身がお金を払ってでも行いたいと思える仕事を選ぶのです。
自由な働き方を目指すのであれば、20代はそのための「スキル」や「経験」を積み重ねる価値のある時期です。
たとえ20代で十分な収入を得ていたとしても、30代になって自分が理想とする働き方を実現できる力が身についているかはわかりません。
20代で取り組むべきことや身につけるべきことを実践しておけば、30代以降で自由な働き方にシフトすることが可能になるでしょう。
3.とにかく目の前の仕事を最も優れた形でこなすこと
既にどこかの企業に就職していても、自分の仕事に満足できず、かつ「一生続けていきたい価値のある仕事」と呼べるものが見つからないという人は多いです。
そうした人たちに伝えたいのは、「まず目の前の仕事を最も優れた形でこなすこと」です。
「何かで一番になること」「何かの分野で最も詳しくなること」というプロセスは非常に価値があります。
何かの分野で他を凌ぐために経験した「プロセス」というのは、その仕事自体に大きな価値があるとは限りませんが、充分に評価されるものです。
それが雑用であっても、つまらない事務作業であってもです。
重要なことは、まず目の前の仕事で他を凌ぐ成果を上げることを目指すことです。
そして、その目標を達成するためには、どのように仕事に取り組めば良いかを仮説を立てて実験し、検証することです。
どんな仕事であっても、正しいプロセスに従って仕事を行うことで、将来のあらゆる仕事において「成果を上げるための仕事のやり方」を身につけることができるのです。
どんな仕事をしていても、質の高い仕事を遂行できる人材は、どの企業でも求められる存在であり、自らビジネスを構築する起業といった働き方を実現するためにも重要です。
これにより将来、「一生続けたい仕事」に出会ったときに、そのチャンスを最大限に活かすことができるでしょう。
4.20代前半は汎用的スキルを身につける
20代前半では、将来自分がやりたい仕事に就くためには、ある程度の汎用的なスキルを身につけることが不可欠です。
エクセル、英語、ビジネススキルなどは、入社してから3年以内に習得しておくべきです。
エクセルに関しては、入社後3ヶ月で基本的な関数の使い方をマスターしましょう。
その後は実践を通じてエクセルを活用し、より高度なデータ分析や生産性向上のためのツールとして活用できるようになりましょう。
おすすめのエクセルの参考書としては、「たった1日で即戦力になるExcelの教科書」という本があります。
この一冊には、初歩的な使い方から関数の使い方まで、エクセルの基礎が凝縮されています。
初心者向けの入門書として非常に使いやすいので、新入社員や後輩におすすめしたり、プレゼントしたりすることもできます。
また、英語のスキルも必須です。マッキンゼーや他のトップ企業を含む多くの企業が、「英語ができること」を求める基本条件としています。
つまり、これからの10年は英語が有利な時代ではなく、むしろ英語ができないことが不利な時代です。
最低限、一人で海外出張に行っても問題なくコミュニケーションを取ることができるレベルになるよう努力しましょう。
また、就職や転職活動で英語力をアピールするためには、TOEICのスコア900点を目指しましょう。
スコアが低い場合は、まず800点を目指すことから始めましょう。
ただし、実際のビジネスの場で英語を使用する際には、TOEICのスコアよりも実践力が重要です。
5.20代後半は専門的スキルを身につける
20代前半に汎用的なスキルを習得したら、20代後半からは専門的なスキルを身につけることに注力しましょう。
専門的なスキルには以下のようなものがあります。
・特定の業界や商品に関する知識
・Webデザインスキル
・Webマーケティングスキル
・建築設計スキル
・経営者向けの営業スキル
専門的なスキルは、30代以降のキャリアにおいて重要な要素となります。
現在の仕事で身につけられる価値のある専門スキルを考え、日々自分自身に問いかけながら、上司や先輩のサポートを借りたり、会社のプラットフォームを活用したりして経験とスキルを積極的に獲得しましょう。
もし現在の仕事でピンとくる専門スキルが見つからない場合でも、初心者でも取得できる価値の高いスキルとして、WebマーケティングやWebデザインをおすすめします。
世界各国でWebマーケティングの需要が高まっており、将来的にもその需要はさらに加速すると予想されます。
これは「テクノロジーの急速な進化により、オンラインでのサービスや商品の販売・促進が当たり前となっているから」です。
一方で、この需要には供給が追いついていない状況もあります。
供給不足が続く限り、Webマーケターの収入も増加傾向にあると予想されます。
実際、Webマーケティングのスキルを持つフリーランスマーケターの収入は高水準で推移しており、待遇面でも非常に魅力的なスキルと言えます。
6.28歳までに異業界や異業種への転職を考える
私自身は、新卒での就職を「仮の就職」と考えています。
なぜなら、大学生として社会で働いた経験がない者が、自分の理想の会社や働き方を正確に把握することは難しいからです。
多くの人にとって、新卒としてどこかの会社に入り、日々の業務の中で自分が楽しいと感じることや、やりたくないことを経験することで、自分に合った働き方やキャリアを見つけることができます。
これらの経験を経て、20代後半で再び「本当の就活」を行うことをおすすめします。
そうすることで、より自分らしい働き方やキャリアを実現することができるでしょう。
ただし、異業界や異業種への転職を考える場合は、できるだけ28歳までに動き始めることをお勧めします。
その理由は、28歳までならポテンシャルとして採用される可能性が高いからです。
28歳を過ぎると、特定の分野での専門知識やスキルが求められる場合が増えるため、自分の希望する業界や職種に就くことが難しくなるかもしれません。
異業界や異業種への転職を考えている方は、なるべく早い段階で行動を起こすことをおすすめします。
7.転職エージェントには社会人2年目から登録をしておく
社会人一年目はとにかく目の前の仕事を一生懸命にこなしましょう。
視野が広くなってきた2年目になった段階で、転職エージェントに登録することをおすすめします。
転職エージェントとは、企業と求職者をつなぐ会社で、求人紹介や転職相談を無料で行ってくれる会社のことです。
転職エージェントに登録しておくべき理由は次の通りです。
・自分の市場価値がわかる
・客観的に足りない知識やスキルを指摘してもらえる
・チャンスをつかめる回数が多くなる
転職エージェントに登録すると、現在の自分がどんな企業に必要とされるのか、自分の「市場価値」がわかるようになります。
転職エージェントは日々多くの求職者と関わります。
そして、どのようなスキルや考え方、バックグラウンドを持った人材がどのような会社に入っていくのかを毎日見ています。
転職エージェントに登録することで、エージェントは実際に転職を成功させた人とあなたを比較し、適切な市場価値を示してくれます。
この市場価値がわかると、あなたは今の会社に依存しようという気持ちがなくなります。
今の会社がうまくいかなくても、他の会社に自分が必要とされることがわかるからです。
一方、あなたが目指したい企業がある場合は、それを転職エージェントに伝えることで、自分の足りない知識やスキル、経験をエージェントが指摘してくれます。
そのフィードバックを受けることで、今の仕事で不足しているスキルや経験を補うことができるようになります。
また、エージェントに登録しておけば、良い求人のチャンスを多く得ることができます。
転職エージェントに登録していない求職者は、自分で求人情報を探し、応募する必要があります。
一方、転職エージェントに登録している場合は、エージェントが代わりに求人情報を集めてくれます。
エージェントは幅広い企業とのつながりを持っているため、あなたに合った求人案件を紹介してくれる可能性が高くなります。
また、転職エージェントは求職者の希望や要望を把握しており、あなたのキャリアや経験に合った案件を探してくれます。
自分だけでは見逃してしまうようなチャンスも、エージェントが見つけ出してくれるかもしれません。
さらに、転職エージェントは転職に関するアドバイスやサポートも行ってくれます。
転職活動は一人で進めるのは難しい場合もありますが、エージェントがあなたの相談に乗ってくれるため、スムーズに転職活動を進めることができます。
社会人2年目から転職エージェントに登録しておくことで、自分の市場価値を知り、足りない知識やスキルを補い、良い求人のチャンスを増やすことができます。
将来のキャリア形成や転職に興味がある場合は、早めに登録しておくことをおすすめします。
8.スキル・経験を活かしてサイドビジネスを始める
会社に依存せずに働くためには、「会社以外で収入を得る経験」を積むことが重要です。
20代のうちは、まずは現在の仕事で大きな成果を上げることが最も重要ですが、現在の仕事で成果を出せるだけの余暇の時間がある場合は、その時間を使ってサイドビジネスを始めることをおすすめします。
ここでいうサイドビジネスとは、副業のことではありません。
サイドビジネスとは、「本業と副業の区別をつけない新しい働き方」のことです。
サイドビジネスでは、本業としてやっていることと新たに始める副業との優劣は存在せず、どちらもあなたの本業となります。
そのため、サイドビジネスをする際に重要なポイントは次の3つです。
☆サイドビジネスを選ぶ際のポイント
・現在の仕事と相乗効果を生むもの
・成果に応じて報酬が得られるもの
・長期的に続けられるビジネス
① 現在の仕事と相乗効果を生むもの
まず、サイドビジネスを選ぶ際には、現在の仕事と相乗効果を生むものを選ぶことが重要です。
サイドビジネスはまだ一般的ではありませんが、現在の仕事に良い影響を与えるものであれば、会社側もそれを受け入れる理由があります。
サイドビジネスをすることで、現在の仕事にもプラスの影響を与えることができますので、収入が得られなくてもサイドビジネスを行う価値が出てきます。
② 成果に応じて報酬が得られるもの
次に、サイドビジネスは時間給ではなく成果に応じた報酬の仕事を選びましょう。
アルバイトとしてサイドビジネスをする場合でも、それは「あなたの時間を売る結果」として報酬が支払われるものであり、あなたが生み出した価値そのものに報酬が支払われるわけではありません。
サイドビジネスでは、成果に応じた報酬の仕事を選ぶことで、初めて意味のあるサイドビジネスとなります。
③ 長期的に続けられるビジネス
サイドビジネスは、長期的に続けられるものが良いです。
1年や2年収入を得たとしても、人生全体においては大きな意味を持ちません。
例えば、私自身はブログ運営を含む複数のサイドビジネスを行っていますが、ブログ運営(特にアフィリエイト)だけで生計を立てるつもりはありません。
現在行っている別の仕事にはより多くの時間をかけており、これからも同様に続ける予定です。
なぜなら、ブログ運営は「長期的に続けられる」という要素が弱いからです。
検索エンジンの変動によってブログの収益が大きく左右されるため、徹底的に追求しない限り、数年後には収益が減少するでしょう。
このような短期的な収益しか得られないビジネスは、サイドビジネスとしては適していません。
しかし、ブログ運営が有効なケースもあります。
それは、ブログを個人マーケティングやブランディングの手段として活用し、自身が提供するサービスや商品の販売につなげる「入口」としてブログを利用する方法です。
この場合、ブログは有効なマーケティングツールとして機能し、適切な方法で活用すれば中長期的な「信頼関係の構築」を通じて顧客を獲得できるでしょう。
以上のように、サイドビジネスを選ぶ際には「長期的な継続性」を重視することが重要です。
ブログであれば自身や自身が提供するサービスを宣伝するためのマーケティングツールとして利用するなど、適切な活用方法を見つけることが重要です。
他人の意見は参考程度に聞き流しても問題ありませんが、興味がある場合はブログ運営や他の方法を試してみることをおすすめします。
■まとめ
自由な働き方を実現するためには、20代で得たスキルや経験が重要です。
20代はお金では買えないものを身につけるための時期であり、自身のキャリアや余暇の使い方を考える良い機会です。
最終的な自由な働き方への移行の順序は以下の通りです。
①就職した企業でスキルや経験を得る
②不足しているスキルや経験を戦略的に補完するために転職やサイドビジネスを利用する
③十分なスキルや経験を獲得した後、自由な働き方に移行する
自由な働き方を実現するためには、これらのステップを順序立てて進めることが重要です。