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40代・50代の転職成功率が上がっている理由とは?

2025.12.10

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ここ数年、40代・50代の転職成功率が急上昇しています。

背景にあるのは、少子高齢化を中心とした社会構造の変化に伴い、企業側の採用姿勢が大きく揺れ動いていること。

特にIT、コンサルティングといった専門サービスの領域では、 年齢よりも「即戦力性を優先する傾向が顕著になっています。

(※弊社クライアント22社に対する独自アンケート結果)

ほんの10年前までは「未経験採用は35歳まで」「40代以降は管理職経験が必須」といった採用観を持つ企業がほとんどで、
ミドルシニア層にとって転職市場は狭いものでした。

しかし現在は、
・少子高齢化に伴う若手人材そのものの絶対数の減少、
・先行き不安から来る若年層の有名企業志向の強まり、
・企業側の人材囲い込み競争の激化
といった要因が重なり、20〜30代の採用難易度が急激に上昇しました。
それゆえに40~50代の採用を本格的に検討する企業が増え始めたのです。

また、事業スピードの加速やジョブ型雇用の考え方の浸透により
「目の前の課題をピンポイントで解決出来る即戦力人材の採用」ニーズが大幅に増加しています。
特に深刻な人材不足を抱えるIT・コンサル領域ではこの傾向が著しく、
40代・50代の採用レンジは確実に広がりつつあります。

転職成功率が上がったもう一つの理由として、求職者側の認識の変化が挙げられます。

かつては「管理職ポジションでないと恥ずかしい」といった自己意識、「年収ダウンは避けられない」という自分の市場価値の誤認などが多く見られました。

しかしミドルシニア採用が珍しく無くなった世を見て自己意識が変化した人、
管理職へのこだわりを捨てプレイヤーとしての自身の強みを再定義する人が増えています。

こうした変化が、ミドルシニア層の転職チャレンジを一般化させています。

弊社が実際にこの領域の転職を取り扱う中で、特に大きな要因と感じるのは「成功者が増え、情報も公開されやすくなった」ことです。

企業側のニーズ、求められるスキル、選考のポイントが明確になり、転職市場全体に浸透・ストックされ、「どこに応募すべきか? どう準備すべきか?」を知り、正しい準備を行う求職者が増えた結果、成功確率が底上げされてきたのだと考えられます。

もう一つの変化として、近年は役員クラスが採用活動を直接リードするケースが増えている、という点も挙げられます。

 従来は年齢を問わず「採用はまず人事を通して」というスタンスの企業がほとんどでしたが、


といった側面があるため、現場トップが直接タレントに会う動きが強まっているのです。

役員主導の採用では、求人票に書ききれない「生々しい課題」と「非常に具体的な解決策」のピンポイントなマッチングが行われるため、40代・50代の豊富な経験値が刺さりやすくなります。

表面上のスキルではなく、修羅場・経験・現場感覚が評価されるため、むしろ若手より採用確率が高いケースも珍しくありません。

もちろん、市場が変化したとはいえ、誰もが簡単に転職できる程イージーではありません。

抑えるべきポイントはしっかり抑えなければいけません。

等。転職は、情報で決まる、そこだけはいつの時代も変わらないですね。

特にミドルシニア・ハイキャリア層の採用は、企業側も失敗を極端に嫌うため、
理解のズレを残したままでは選考を突破できません。
緻密な準備が必須です。

市場は確かに追い風ですが、正しい視点で動かなければ、依然として困難な世界です。

総じて、40代・50代の転職市場は、かつてとは全く異なる局面を迎えています。

企業側は年齢以上に即戦力性を重視するようになり、求職者側も戦い方を高度化させやすくなりました。

ただし、この追い風は「準備をした人」にしか届きません。

市場の構造を理解し、自身の強みを言語化し、企業の課題に正確に応える視点を持つこと。

この三つが揃ったとき、ミドルシニアの転職は初めて成功確率が高まります。

環境は変わりました。あとは、それを味方につけられるかどうか、です。

進むべき道が見えなくなる瞬間は、誰にでも、いくつになっても訪れます。

その景色を変えられるのは、いつだって自分だけ。

揺るぎない想いひとつで、未来はすぐに動き始めます。