接待という日本文化

東大の教授が、違法な接待で逮捕されたそうです。
別ソースによると5万円の高級フレンチから銀座の高級クラブで50万円が定番コースだったらしいですが、
僕は寂れた赤提灯の方が好きですね。
https://www.asahi.com/articles/ASV1X1JQ6V1XUTIL018M.html
それはともかく、この件を、「倫理観の欠如」の一言で片付けてしまうのは少し雑で、
文化と制度の観点から観測すべき事象かも、と感じました。
そもそも接待は、単純な善悪二元論で語れるものではありません。
その国の文化や歴史と深く結びついているためです。
たとえば欧米は、いわゆる「接待文化」は比較的弱いと言われています。
ミーティング後に食事を共にすることはもちろんありますが、
根本的に公私混同を嫌い、仕事と私生活を分ける文化だからです。
仕事のために飲み食いする、という発想自体がもともと強くありません。
一方、日本を含むアジア圏では、接待文化は普遍的に存在してきました。
中国、韓国、シンガポール、ベトナム、タイなどでも、
接待は珍しいものではありません。
ただし、文化だからと言う理由だけで手放しに許容して良い訳は当然無く、
先進的な国家であれば少し制度として整理していく必要があります。
現実問題、日本以外の国々では、
制度や法律によって明確な線引きが進んでおり、
極端な事例は以前ほど見られなくなっています。
しかし日本では、
「常識の範囲内ならOK」という、
いわゆる「日本的な」運用が長く続いてきました。
その結果、接待を対価として要求する人が現れたり、
その対価の内容がエスカレートしていったりする、
そうした弊害を生みやすい土壌が育ってしまったのだと思います。
ルールが曖昧だから、受ける側も、
どこまで許容してどこから断るべきか判断できない。
今回の東大の件は、
この日本型モデルの限界がはっきり露呈した事例なのかも知れません。
個人的には、日本で接待を全面的に禁止する必要はないと考えています。
利害関係者同士が飲食を通じて信頼関係を築く。
それ自体は、今もビジネスの現場で機能していると思います。
ただし、線引きは不可欠です。
どこまでが礼儀で、どこからが不正なのか。
誰でも判断できる形にする必要があるのではないでしょうか。
文化そのものを悪と呼ぶことはできません。
しかし、文化に依存しすぎれば、
どこかで必ず歪みが生まれる。
どうやって行き過ぎを抑止するかが問題。
僕もビジネスに携わる者としてキチッと確認しておきたい主題の一つですが、
皆さんは、接待についてどう思われますか?


