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自己PRで伝えるべき『コミュニケーション能力』とは?その意味や重要視される職種

2024.12.12

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転職の面接で自己PRをする際、「コミュニケーション能力」を強みに挙げたいと思っても、それが企業のニーズにマッチしているのか、自分の志望職種でどの程度重要視されているのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、コミュニケーション能力の定義とともに、それが求められる職種や、他の自己PRに使える強みについてわかりやすく解説します。

日本経済団体連合会が行った「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」によると、企業が採用時に最も重視したポイントの第1位は、16年連続で「コミュニケーション能力」でした。

この傾向は、新卒だけでなく中途採用でも同様です。

現代の仕事環境では、対面や電話だけでなく、ZoomやSlackなどのツールを使った非対面型のやり取りが一般的です。

適切なコミュニケーション能力があれば、言葉の行き違いやミスを減らし、チームの連携を強化できます。

その結果、業務効率が向上し、プロジェクトをスムーズに進めることができます。

多くの職場では、上司や同僚、取引先などさまざまな人と関わる機会があります。

コミュニケーション能力が高い人は、職場内で良好な関係を築くことができ、働きやすい環境を生み出せます。

これにより、チーム全体の生産性向上やストレス軽減が期待できます。

転職面接で頻繁に問われる「自己PR」。その中で「コミュニケーション能力」をアピールしたい場合、まずはその定義をしっかり理解しておくことが重要です。

また、具体的にどのような状態が「コミュニケーション能力が高い」と言えるのかも押さえておきましょう。

文部科学省は「コミュニケーション能力」を次のように定義しています:

さまざまな価値観や背景を持つ人々との集団において、相互関係を深め、共感を育みながら人間関係やチームワークを築く力。さらに、正解がない課題や未経験の問題について対話を通じて情報を共有し、自ら深く考え、互いに意見を伝え合いながら合意形成や課題解決を図る能力。
引用:文部科学省 資料5 言語能力について(整理メモ)

この定義には、情報を正確に理解し相手に伝える力、他者と意思疎通を図る力など、幅広い要素が含まれます。

また、言語面だけでなく、社会的な場で適切に行動する力や非言語的なスキルも含まれるのが特徴です。

コミュニケーション能力は、自分の意見をただ一方的に伝えるだけでは不十分です。

相手の意見を尊重し、しっかり聞く力や、相手の話を理解したうえで適切な質問をする力も含まれます。

伝える力:相手の理解度や状況に合わせて語彙やトーンを選び、的確に自分の考えを表現するスキル。

聞く力:共感や理解を持って相手の話を受け止める姿勢。

質問する力:疑問に感じたことを素直に尋ね、お互いに納得のいく答えを見つける対話力。

さらに、対話を通じて双方が納得する解決策や合意点を見つける能力も重要です。

コミュニケーションには言葉だけでなく、表情や声のトーン、ジェスチャーといった非言語の要素も大きく影響します。

たとえば、場の空気を読み取る力や、状況に応じた適切な態度を取ることもコミュニケーション能力の一部と言えます。

こうした幅広いスキルを磨くことで、自己PRとしての「コミュニケーション能力」に説得力を持たせることができます。

社会人にとって必要不可欠なスキルである「コミュニケーション能力」。

中でも特にこのスキルが重要視される3つの職種について、具体例を交えながら解説します。

これから転職を検討している方はぜひ参考にしてください。

    事務職は社内の各部署や部門との調整が多く、コミュニケーション能力が大いに役立つ職種です。

    来客対応やWeb会議、上司や同僚とのやり取りなど、幅広い場面で柔軟な対応力が求められます。

    例えば、書類作成の依頼を受けた場合、目的や詳細を質問して意図を正確に把握することで、より適切な内容の資料を提供できます。

    特に営業事務では、営業職のニーズを把握し、先を見越してサポートを行うスキルが必要です。

    周囲の状況を把握して、スムーズな業務進行をサポートできる人材は重宝されます。

      営業職は顧客との信頼関係を築くうえで、コミュニケーション能力がカギとなる職種です。

      自社製品やサービスをアピールするだけでなく、顧客の抱える悩みや要望を引き出すスキルが必要となります。

      さらに、プレゼン能力や説得力が加わることで、提案力が一段と強化されます。

      また、表情や声のトーン、身振り手振りなどの非言語コミュニケーションも重要な役割を果たします。

      これらを駆使できると、営業職で高い成果を上げやすくなります。

        ITエンジニアは「パソコンに向かう職人」というイメージを持たれることがありますが、実際には顧客やチームメンバーとの対話が非常に重要です。

        特に非技術者であるクライアントに対して、専門的な情報をわかりやすく伝える説明力が求められます。

        また、プロジェクトを進めるうえでのチーム間の調整も必要不可欠。

        コミュニケーション能力が高ければ、意思疎通がスムーズになり、プロジェクトの進捗が円滑になります。

        その結果、より高いクオリティの成果を生み出すことが可能です。

        これらの職種では、コミュニケーション能力が仕事の成果や評価に大きく影響します。スキルを磨いて活かすことで、キャリアアップを目指せるでしょう!

        「コミュニケーション能力」という言葉は、人によって解釈が異なることもあります。

        そのため、少し表現を変えて他の強みとしてアピールする方法も有効です。

        以下の3つは、自己PRに活用できる代表的な強みの例です。

        主体性を持って仕事ができる
        チャレンジ精神が旺盛
        適応力が高い

        それぞれの特徴とアピールポイントを解説します。

        周囲とコミュニケーションを取りながら、自ら積極的に行動できるリーダータイプの人は、「主体性」をアピールポイントにするのがおすすめです。

        この強みは、業務に対する責任感を伝える要素にもなり、面接官に「プロジェクトリーダーとして活躍する姿」をイメージさせることができます。

        ただし、自分勝手に行動したような印象を与えないことが重要です。

        志望企業の社風に合わせつつ、周囲との協調性を大切にしていることもさりげなく伝えると効果的です。

        新しいことに積極的に挑戦できる姿勢は、多くの企業で高く評価されます。

        特にコミュニケーション能力が高い人は、多様な人脈を活用し、新しい情報を取り入れた上で行動する傾向があります。

        このようなエピソードを具体的に伝えることで、チャレンジ精神をより強く印象付けることができます。

        ただし、無謀な挑戦ではなく、失敗した場合には原因を分析し、改善して再挑戦した経験を伝えることが大切です。

        前向きでポジティブな姿勢をアピールすることで、好印象を与えられるでしょう。

        環境の変化に柔軟に対応できる「適応力」は、特にホスピタリティが求められる職種で重宝されるスキルです。

        変化の多い状況下でも成果を出し続けられる力は、大きなアピールポイントになります。

        また、ただ適応するだけでなく、より良い環境に向けた提案や改善を行った経験があれば、さらに魅力が増します。

        また、コミュニケーション能力の一部として「傾聴力の高さ」や「多様な価値観を受け入れる力」と言い換えることで、具体性を持たせることも可能です。

        このように表現することで、面接官が入社後の活躍をイメージしやすくなります。

        多くの企業が求める「コミュニケーション能力」ですが、「伝える・聞く・質問する」の3つを基盤に、傾聴力や対話を通じて理解を深める姿勢を含む広いスキルセットです。

        ただ、「自信があります」と一言でアピールすると、面接時のハードルが上がる可能性もあります。

        不安を感じた場合は、転職サービスを活用するのも一つの手段です。

        専門家のアドバイスを受けながら、自分の強みをより効果的に伝えられる方法を見つけましょう。