
K.Mさん(42歳)
前職:システム開発・事業部長(事業統括責任者)(年収950万円)
転職後:システム開発会社 プロジェクトマネジャー(年収950万円)
転職を決意した理由
これまで所属していた会社は、主に大手SIerの下請けとしてシステム開発を請け負う「二次請け」が中心でした。
そのため、プロジェクトの方向性や優先事項はどうしても上位会社やクライアントの意向に左右されてしまう。
自社の意思で事業を動かすよりも「依頼されたものを確実にこなす」ことが主軸となっており、そこに限界を感じるようになりました。
私自身、エンジニアとしてのキャリアを積む中で、
「ユーザーに直接価値を届けたい」
「サービスを通じて生活を豊かにする側に回りたい」
という想いが強くなり、今回の転職を決意しました。
次のキャリアでは、自社サービスの企画・改善に関わり、事業課題に主体的に取り組める環境で働きたいと考えていました。
転職活動の実態:序盤は書類も面接も通らなかった
最初の頃は、事業会社を中心に20社ほど応募しましたが、書類選考すら通過しませんでした。
理由は明確で、私は「事業会社での経験」がほとんどなかったため、企業のニーズとマッチしていなかったのです。
また、当初は自分の方向性が明確ではなく、面接でも「なぜその会社なのか」「自分がどう貢献できるのか」という質問に、漠然とした答えしかできていませんでした。
キャリアアドバイザーの方からは、
「企業が求めている方向性と、自分がやりたいことを重ねて話すことが大事」
とアドバイスをいただき、そこから面接準備のやり方を根本的に変えました。
アドバイザーと何度も面談を重ね、自分の経験・強み・価値観を棚卸ししました。
その結果、面接では以下の3点を常に意識して話すようになりました。
・なぜその企業を選んだのか
・その企業で何を実現したいのか
・自分のスキルでどう貢献できるのか
この3つを言語化できるようになってから、面接の通過率が格段に上がりました。
同時に、応募企業の研究も徹底しました。
サービス内容だけでなく、組織構成や事業方針まで理解し、自分のキャリアと重ねて語れるようにしたことで、相手企業との“温度感の一致”が生まれました。
転職先との出会いと、決め手になったこと
最終的に内定をいただいたのは、自社で開発・サービス運営まで行うシステム開発会社でした。
面接では、人事担当者や組織長の方から非常に前向きな評価をいただき、「ぜひ一緒に事業をつくっていきたい」と熱意あるオファーをいただいたことが大きな決め手になりました。
今回の転職では、年収面でのアップダウンはありませんでしたが、「自分の意志で事業を動かす」という働き方に近づけたことが一番の収穫です。
ユーザーに直接価値を届ける実感を得られる環境に身を置けたことに、今は大きな満足感を感じています。
転職活動中の方へ
私は約20社に応募しましたが、最初の段階では結果が出ませんでした。
書類が通らないときこそ、「なぜ通らないのか」を冷静に分析し、アドバイザーに相談して改善していくことが大切です。
また、転職活動はどうしても長期化しがちですが、私は活動期間に期限を設けたことで、自分自身に区切りをつけられました。
“いつまでに内定をもらう”という目標を決めることで、気持ちの面でも整理がつき、家族にも無駄な負担をかけずに済みました。
方向性が定まっていない時期ほど焦りが出ますが、自分のキャリアの軸を見直しながら、粘り強く取り組むことが何より重要だと感じました。
まとめ:40代でも、キャリアの方向転換は遅くない
42歳という年齢での転職は簡単ではありませんでした。
しかし、経験をしっかり棚卸しし、自分が社会にどんな価値を出せるのかを整理できれば、企業からの評価は確実に変わります。
「二次請けの立場から、自分で事業を動かす立場へ」
その転換は、私にとって大きな挑戦であり、同時に“キャリアの再構築”のきっかけにもなりました。
40代以降の転職でも、経験は確かな武器です。
大切なのは、「何をやりたいか」ではなく、「誰にどう貢献できるか」を明確にすること。
その視点を持てば、キャリアの可能性は必ず広がります。
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