
米国で、「ブルーカラービリオネア」という言う現象が発生しているそうです。
AIによって頭脳職の年収が下がる一方、
手作業・現場系の技能職は高収入化している、というもの。
AIは弁護士のリサーチやプログラマーのコーディングといった仕事を奪いつつありますが、
配管工などのAIに代替されない仕事は逆に希少性があがっており、
それに伴って年収も希望者も増えています。
つまり、頭を使う人よりも、手を動かせる人の方が希少になりつつあり、
それに伴い年収の逆転現象が起きている、ということです。
事実、NYでは配管工が修理2時間で800ドル(12万円くらい)を請求したという例もあり、
「配管工は医者より稼ぐ」とまで言われているとのこと。
米国ではこうした高年収な技能職のことを「ブルーカラービリオネア」と呼んでいるそうです。
任天堂のマリオの本職は配管工なのですが、
金満なマリオはなんだかあまり見たくない気がします。
興味深いのは、実はトランプ政権がこの動きを後押ししている点。
ハーバードなど私大への助成金を減らす一方、
奨学金の対象を職業訓練にも拡大しています。
大統領就任直後から「国内に雇用を取り戻す」と息巻いていましたが、
確かに「ただしホワイトカラーに限る」とは言っていませんでしたっけね。
もしこの現象が日本で起きたらどうなるでしょうか?
日本はいまでこそ「肉体労働=下層」的な意識が根強いですが、
もともとは職人気質の国。
古来から農耕民族として高い技術を持っていましたし、
技術職が支えた近代の発展を思えば、
ブルーカラー回帰は結構馴染むのかもしれません。
課題は年収です。
ライン工800万円、農家1000万円――
それくらいの数字感になってくれないと食べていけないのが現実ではないでしょうか。
そして、こういった職種の平均年収は、各個人の頑張りではどうにもならず、
体制側から構造的にアプローチしなければ変えられません。
「頑張って稼げ」と言われても無理がある。
本当に回帰させるなら国が音頭を取る必要があるでしょう。
また、この現象が長期トレンドなのか?の見極めも大事そうです。
AIとロボットがさらに進化したら、
今度は配管工の仕事も奪い始めてまたホワイトカラー回帰になるかもしれないし・・・。
マリオも安泰とは言えませんね。
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15CNW0V11C25A0000000/
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