中途採用者にとって面接は避けられない関門
中途採用者にとって、面接は再就職する上で絶対に避けられないイベントです。
なぜなら面接とは、書類上だけでは判断できない要素を見る場だからです。
例えば、履歴書に早稲田大学のような大学を卒業していて某大手企業に5年ほど勤めていると記載があるとします。
書類上だけでは、会社で十分に活躍できる能力を持っているだろうと判断できますが、実際に面接で面接官たちが転職志願者を見たときに、「落ち着きがない」「上目遣いが変」など、書類上では判断できない部分で採否の判断材料を加えるわけです。
この方の場合は恐らく不採用になる可能性が高いでしょう。
上記は極端な例ですが、書類上ではその会社で働くうえで完璧でもその人の【内面】を面接で見ることになるので、結果的に再就職する上で面接は大事なのです。
採用を勝ち取るために必要な面接時における5事項
中途採用面接を成功させるための対策はいくつも存在します。
しかし、あまりにも多すぎることから薄く広く対策しすぎて逆効果になってしまう場合があるのです。
ここでは最低限必要とされる5つの事項について紹介していきます。
1.面接会場と面接形式をできるだけ把握しておく
中小企業などでは筆記試験の後に面接という形で行う場合が多く、その場合は当日中に面接会場と面接形式をある程度把握することができます。
しかし、大企業の場合は事情が少し違うようです。
書類選考を通過した人に筆記試験を実施し、合格したら後日一次面接を行い、企業によっては二次面接(または最終面接)となるので、面接会場や面接形式が判別できないことがあります。
面接会場が小さい個室なのか集団面接が可能な大きな広間なのかによっても対策が少し変わるのです。
面接のマナーとして入室時にノックを3回することは当たり前ですが、面接担当者に聞こえるような声で「失礼します。」と言わなければ相手からは無言な人という先入観を与えてしまう可能性があります。
中途採用で集団面接が行われるケースはさほど多くはありませんが、大企業の場合は念のため集団面接の対策を行っておいた方が無難でしょう。
2.履歴書に記載されている志望動機と大きく逸れてはいけない
中小企業の面接では履歴書に書いてある志望動機をもう一度聞くことをしないところもありますが、大企業の場合は少し勝手が違うようです。
例えば中途採用者で2人採る予定のところを、書類選考や筆記試験を経て最終的に20人に絞ったので、それを面接官は【マイナス】の材料を見つけて合否を判断しなければなりません。
必ず志望動機は聞くものだと分かっているので、面接官に聞かれたら志望動機を答えるわけですが、ここで隠れた落とし穴があるのです。
それは予め記載して応募先の企業に送った志望動機と、面接時に答えた志望動機の方向性が大きくズレてしまうと危険だということです。
例えば、履歴書に記載したものが「私の能力を活かせるこの職場で働きたい」という方向性の志望動機であれば、面接時に「ホームページを見てこの職場で働きたい」と言ってしまったら、面接官は予め志望動機のコピーを所持していることが多いので、それと比較することになるかと思います。
実際に履歴書に書いてある志望動機とほぼ同じことを言えたら問題ありませんが、志望動機の方向性がズレてしまったらマイナスポイントになってしまうので、対策として予め履歴書を企業に送る前に志望動機のコピー(または履歴書全体をコピー)を手元に残しておきましょう。
3.前職の退職理由をポジティブに答える
中途採用面接では、前の職場を辞めた理由を必ずと言っていいほど聞いてきます。
それは面接官の興味本位で聞くわけではなく、退職した理由によって今後その会社で働いても問題ないかどうかが知りたいからです。
基本的に正直に話すことが大事ですが、退職理由が「前の会社の上司とウマが合わなかった」「頭に来たので会社の備品を盗んでクビになった」「前の会社がブラックすぎて辞めた」など、これらが仮に本当のことだとしても、それを実際に口にすると面接官によっては『一発アウト』の可能性があるので、他の理由を考えなければなりません。
もしポジティブに答えるなら「自分自身のステップアップと将来的な会社への貢献」「前の会社では正当な評価を得られなかったので御社で自分の能力を発揮したい」などと答えるのが無難です。
とにかく面接官に前の会社の不平不満を言うようなことだけは避けましょう。
4.1分ぐらいの長すぎず短すぎない効果的な自己PRを用意しておく
企業によってタイミングは異なりますが、定番と言えるほど面接では欠かせない項目です。
一般的に自己PRは原稿用紙で300~400字を1分程度で話すことが求められます。
職務経歴書で大方の自己PRは記載済みだとは思いますが、効果的な自己PRとしては結論から先に述べて理由と経験を説明し、時には具体例を少し交え、応募先の職種の仕事で活かせることをうまく話すことになります。
自己PRは面接官によい印象を与えるチャンスでもありますので、大事なポイントなのです。
5.「何か質問はありますか?」と聞かれたら少なくとも絶対に1つは質問する
面接の最後にされる質問です。
これは就職する企業への興味や意欲が求められています。
「特に何もありません。」と答えてしまうとプラスにはならず、むしろマイナスポイントになってしまう可能性があるのです。
最低1つでも質問しておくとマイナスにはならず、質問内容によっては評価がプラスに働く可能性があります。
この項目で採否が決まることもありますので、気は抜けません。
まとめ
上記で取り上げた他にも『長所と短所』『あなたの夢/未来』について教えてくださいといった要素はありますが、最低限この5つだけは頭に入れておきましょう。
これらの項目は面接官が何かしらのチェック項目に記載していることが多いので、ミスしてはいけません。
根本的に違っていると、記憶力や応募する意思が問われてしまい大きなマイナスとなって不採用になる可能性が高まってしまいます。
面接は模擬練習を含め数をこなすことが重要ですが、根本的なミスを防ぐことがもっと大事です。