■事業内容と強みを把握する
企業研究の基本的な要素です。
対象企業がどのようなサービスや製品を提供し、どのように利益を上げているのかを理解しましょう。
また、その企業だけでなく、その業界全体の状況も把握しましょう。
競合他社との比較や、その企業が業界内でどの位置にあるかを客観的に把握することが重要です。
これらの情報は、企業の公式ホームページ、求人情報サイト、新聞記事、書籍などから収集できます。
可能であれば、その企業や同業他社の製品やサービスを実際に利用し、顧客としての視点から、その強みや印象を把握しておくと良いでしょう。
・ 対策できる質問
「多くの同業他社からなぜ当社を選んだのですか?」
競合の多い業界での転職活動において、特によく聞かれる質問です。
単なる好みや直感的な理由ではなく、業界全体に共通する基本的なサービスはもちろん、他社との比較に基づいた強みなどを挙げて、論理的かつ説得力のある回答を心がけましょう。
・ 回答の例
日本国内だけでなく東南アジア市場にも販路拡大に成功している点に魅力を感じ、他の競合他社ではなく御社を志望しています。
特に御社の▲▲を実際に使用し、その中で〇〇な点が、東南アジア以外の地域でも需要がありそうだと感じました。
今後ますます重要視されるであろう海外展開において、私の■■の経験を活かし、御社で是非働きたいと考えております。
■風土やカルチャーを理解する
企業がどのような価値観を重視し、どのような方針を掲げているかを把握しましょう。
また、成功している社員の特徴や入社後のキャリアパス、企業固有の評価基準や制度を知ることは、自身がその企業でのキャリアプランを描く際の手がかりともなります。
自分が求められる人物像を具体的に想像しながら、これまでの経験を活かすポイントを考えましょう。
風土やカルチャーについては、主に企業の公式ホームページで情報を入手できます。
さらに、企業SNSや、社員によるコラム・書籍、ウェブ上のインタビュー記事なども参考になります。
企業全体の情報だけでなく、実際に働いている社員の個人的な視点から情報を収集することを心がけましょう。
・対策できる質問
「仕事をする上で最も重要だと考えている価値観は何ですか?」
企業が求める人物像やポリシーに合致する内容を選びつつ、ありふれた回答ではなく、自身の経験等から学んだことを根拠として述べましょう。
また、その価値観を日常の業務にどのように反映させているか、それがどのように成果に結びついているかを具体的に説明することで、説得力のある回答となります。
・回答の例
私は常に相手の期待値を超えることを心掛けています。
新卒時代、私は課された仕事を確実にこなすことが大切だと考えていましたが、御社がポリシーとしている「▲▲▲」をまさに体現している上司の指導を受けてからは、良好な関係を築くために相手の期待を上回ることが不可欠だと認識しました。
そのため、仕事の品質やレスポンスの速さを意識して業務に取り組んでいます。
■過去、現在、未来を押さえる
企業の「過去」については、その経歴やこれまでの事業活動を調査します。
「現在」には企業の現在の規模や経営陣の情報、IR(投資家向け情報)などが含まれます。
しかし、最も重要なのは「未来」に関する情報です。
企業の今後の事業展望やビジョンを確認しましょう。
企業の方向性と、自分の職務やスキル向上の目標が噛み合っているほうが、採用担当者へのアピールにもつながるほか、入社後の価値観のズレを防ぎ自分自身の転職活動の成功にもつながります。
企業の事業展望やビジョンについては、主に公式ホームページで調査できます。
さらに、社長のインタビュー記事や企業の発表情報も参考になります。企業の過去の経歴を理解することも大切ですが、今後の方向性を理解しておくと、面接の際に有利になります。
・対策できる質問
「入社後、どのような貢献をしたいと考えていますか?」
企業の事業展望やビジョンを考慮しながら、具体的な目標について述べましょう。
自分が入社した後のことをいかに具体的にイメージしているかを伝えられると、採用担当者に熱意が伝わります。
・ 回答の例
20代のうちに幅広いスキルを習得し、フルスタックエンジニアとして成長して、御社のサービス拡大に貢献したいと考えています。
御社のビジョンである『▲▲を△△年で達成する』という目標に向けて、経営スキルも向上させながら、チームをリードしていくことを目指しています。
・対策できる質問
「あなたの採用によって企業にどのようなメリットが生まれますか?」
企業が求める価値や成果に対して、自分がどのように貢献できるかを根拠としてアピールしましょう。
具体的な貢献ポイントを伝えることで、採用担当者が入社後のあなたの活躍を具体的にイメージしやすくなります。
漠然とした要因ではなく、自分が目指すものや見据える先が企業と一致していることを強調しましょう。
・回答の例
前職ではコーディネーターとして、多くのお客様に対して提案を行い、高品質な対応してきました。
今回の営業職への転職においても、異なる職種であるとは言え、お客様のニーズを深く理解し、御社のホスピタリティを実現するための経験とスキルを持っています。
お客様への高品質な対応を通じて、御社のビジョンである『生涯使えるサービス』の実現に貢献できると自負しています。
■まとめ
面接に向けた企業研究で特に注視すべきポイントと、それにより対応できる一般的な質問について紹介しました。
事前の徹底的な企業調査によって、面接本番での回答が個性的かつ説得力のあるものになります。
以前、某人材会社が企業の面接官を対象に実施した調査によれば、面接を受けに来た人が準備不足だと感じる点について、40%以上の採用担当者が「企業への理解が不足していた」と回答しました。
不十分な企業研究は、志願者が「選考への熱意がない」と受け取られ、選考不合格につながるかもしれません。
面接の場では、どの企業に対しても通用する平凡な回答ではなく、その企業を理解したからこそできる受け答えを、熱意をもって話すことが大切です。
また、企業情報の収集において、転職エージェントのサポートも活用してみてください。
転職エージェントの企業担当者は日々、最新情報をキャッチアップし、業界の最新動向や求められている人物像など、公式情報以外の情報も持っています。
情報収集の方法としても、ぜひ転職エージェントをご利用いただければと思います。