ここ数年、生成AIの急速な普及を背景に、ITエンジニアの働き方や市場価値が大きく変化しています。なかでも注目すべきは、「AIを活用するエンジニアほど、年収が高い」という傾向が、複数の調査から明らかになってきたことです。
今回は、2025年1月に発表されたサーバーワークスのレポートをもとに、AI活用度と年収・キャリア形成の関係について読み解きます。
AI活用が年収に直結する時代
サーバーワークスの調査によると、「業務でAIを積極的に活用している」と回答したITエンジニアの66.2%が「2024年に年収が上がった」と答えました。対照的に、AIを活用していない層で「年収が上がった」と回答したのはわずか33.3%。この差は2倍近くにのぼります。
さらに、AI活用エンジニアは「業務効率が上がった」「新しい技術に触れる機会が増えた」などの理由で成果を出しやすく、結果として評価や待遇にも差がつきやすいことが示唆されています。
年収1,000万円超の多くがAIを活用している
年収とAI活用の相関性はさらに明確です。
別の調査(ITプロパートナーズ)によれば、年収1,000万円を超えるITエンジニアのうち、およそ60%が「日常的にAIを業務に取り入れている」と回答。対して、年収400万円未満の層でAIを活用している割合はわずか20%以下でした。
これは単にAIの知識があるかどうかではなく、AIを使って何ができるか、どう業務に落とし込めるかが評価の対象になっていることを意味します。
転職市場でも「AIスキル」は確実に武器になる
AIスキルは社内評価だけでなく、転職活動でも大きなアドバンテージになります。リクルートやビズリーチなどの大手転職サイトでは、2024年以降「生成AI」や「AI活用」をキーワードにした求人が急増。特にプロンプトエンジニア、AIアプリ開発、ML Ops、業務自動化コンサルタントといったポジションは、即戦力として高く評価される傾向にあります。
未経験からAI職種に転身するケースも出てきており、たとえばバックエンドエンジニアが業務内でAI APIを活用した経験を武器に、AIエンジニアとして年収アップ転職に成功する例も増加しています。
AI活用をキャリアの「当たり前」に
「AI活用」と聞くと、難しい数学や機械学習の知識が必要だと構えてしまう人も多いかもしれません。しかし実際には、ChatGPTやClaude、GitHub Copilotといった生成AIを業務の一部に取り入れるだけでも、十分に「AI活用人材」として評価される場面が増えています。
むしろ求められているのは、AIをツールとして使いこなす実践力と発想力です。
▼キャリアアップを目指すなら、まずは以下のようなスキルから着手するのがオススメです:
・ChatGPT APIの活用(業務自動化、ナレッジベースの構築など)
・プロンプト設計の実践(実務への適用例を持つ)
・Python+LLMの連携(LangChainやLlamaIndexなどのフレームワーク)
まとめ:キャリアの分岐点は「AIとの向き合い方」
AIはエンジニアにとって“脅威”ではなく、“加速装置”です。習得コストが低く、かつ成果が出やすい今こそ、スキルアップと転職を見据えたAI活用の第一歩を踏み出すタイミングと言えるでしょう。
もし現職でAIを活かすチャンスが少ない場合は、AI技術に積極的な企業への転職を検討するのも一手です。実際、AI関連のスキルセットを武器に、年収100万円〜200万円のアップを実現した転職事例も多数見られます。
今後のキャリアを左右するのは、「AIを使うかどうか」ではなく、「AIで何を生み出せるか」。そうした視点が、これからのエンジニアには求められています。