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40代エンジニアの市場価値は?下落は避けられないのか

2026.02.16

40代エンジニアの生き残り戦略

40代エンジニアの市場価値:
下落は避けられないのか?

 

 

1.不安の一因:市場価値の見えにくさ

40代まで活躍されてきた方は、年収もある程度まで上がってると思います。
社内評価も悪くなく、後輩もでき、プロジェクトの中心にいることも多いでしょう。
しかし、
「もし今、転職市場に出ることになったら、自分を雇ってくれる会社はあるのか?」
「そういう会社があるとして、どれくらいの年収を出して貰えるのか?」
という問いに即答できる人は多くないのではないでしょうか。

この将来の不明瞭さが不安に繋がることもあります。
40代に特有の漠然とした不安は、能力の低下のみから来るのではありません。
「価格が可視化できないこと」も原因の一つなのです。

【関連記事】
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2. 市場価値は「年齢」で決まらない

では、40代エンジニアの市場価値の実態はどうなのでしょう?

まず大前提として押さえて頂きたいのは、
市場価値は単純に年齢で決まるものではない、
ということです。

厳格な年功序列企業でも無い限り、
「20代だから上がる」「40代だから下がる」
という単純な構造にはなっていません。

転職における市場価値は、
基本的には「役割」と「現在年収」の関係性によって決まってきます。

詳しく見ていきましょう。

3.そもそも市場価値とは何か?

「市場価値」と聞くと、
多くの方は「年収いくら」という金額をイメージされると思います。

しかし、市場価値を金額だけで表現することは困難です。
役割によって報酬の違いがありますし、
その役割を誰に任せられるかという判断も重要だからです。

企業が「この仕事をあの人に任せたい」と思わなければ、年収の話に入りません。
「この役割なら任せたい」という思いがまず先にあって、
その後「いくらで採用するか」の検討に入るわけです。

つまり、市場価値とは、
「どんな仕事だったら、どれくらいの年収が期待出来るか」という
可変的な尺度なのです。

たとえば
「Aの仕事だったら●●円程度ですが、
Bの仕事だったら●●円程度です」
というのが、市場価値に関する正しい言及となります。

「事業会社SEだったら800万円程度ですが、
ITコンサルだったら1100万円程度です」と言った具合ですね。

よって、年齢だけで市場価値が下がることはなく、
・その年齢でどのレイヤーの役割をになってきたか、任せられるか?
・その年収に対して、どんな責任を負わせられるか?
という年齢を踏まえた相対的な判断が、市場価値を大きく左右します。

4.若手とは算定方法が違う

また、市場価値の算定において、
若手とは考慮要素が違うという点も留意すべきです。

市場価値の判断材料となるのは、
・スキル
・経験
・成果の再現性
・希少性
・組織への波及効果
などですが、若手エンジニアの場合、これらに加え
「成長期待」「ポテンシャル」などの要素が入ってきます。

吸収力がある・将来性がある・数年育てれば戦力になる。
こうした「期待値」が価格に織り込まれます。

しかし40歳以降だとこのような要素はほぼありません。
長期運用を前提とした人材への投資ではなく、
「今、何を任せられるか」という即戦力判断が中心になります。

そのため、
・若手にも任せられる仕事しかしていない
・役割が実装レイヤーに固定されている
こうした状態だと、市場価値は伸びにくいです。
エンジニアに限らず、どんな職種との関係でも、です。

将来性という要素はごっそり落とされる。
それが40代の転職市場なのです。

弊社の転職支援の現場でも、
面接において「ポテンシャルを評価してください」と猛アピールして
お見送りになる40代の方が時折いらっしゃいますが、
この点に関する理解が浅い状態だったのかもしれません。

5. 年収レンジ別に見る市場価値のリアル

次に、ITエンジニアに即して、少し具体的な数字をもって
報酬とそれに期待される役割の相場観を整理してみます。
いずれも弊社の転職支援の現場から得られた実体験によるイメージで、
正式な資料に基づくものではないことを御了承下さい。

■ ~600万円
・実装中心。
・手を動かすことが主な期待役割。
・市場の選択肢もまだ比較的広い。

■ 7~900万円前後
・PGではなくSEレイヤーが基本。
・設計関与、上流工程経験が主な期待役割。
・「どう作るか」だけでなく「なぜその設計か」を語る力。
・現場のみならずビジネスへの理解。

■ 900万円以上
・マネジメント視点やプロジェクト全体への影響力が必須。
・クライアントフェーシング、意思決定、技術選定などが主な期待役割。
・組織貢献も役割。

なお、これはエンジニアという職種に固定した場合のイメージです。
これがITコンサルという職種についてであれば、
それぞれ+2~300万円程度上昇します。

 

6.市場価値が上昇する40代の共通点

市場価値が安定的に評価される40代には共通点があります。

具体的には
・設計や技術選定に関与している
・意思決定経験がある
・若手育成に関わっている
・特定業界に特化した知見がある
・成果を再現可能な形で言語化できる
等の要素をお持ちの方です。

共通しているのは、技術だけではなく、
プラスアルファの加点要素を持っているということ。

「エンジニア」とは「技術職」を意味しますが、
技術だけでは食べていけなくなっていきます。

 

7. 市場価値が停滞する40代の共通点

一方で、市場価値が停滞しやすいパターンとしては、

・技術一本型で役割拡張がない
・自社固有環境に依存している
・マネジメントを一貫して拒否している
・成果を構造的に説明できない
といったケースが多いです。

仮に技術面で優秀であっても、
こなせる役割が追加されていないと、
転職市場で評価されにくくなっていきます。

40代は「積み上げ」よりも「役割の進化」が問われるフェーズと言えます。

 

8. 市場価値を測る3つの方法

自身の市場価値を測るにはどうしたらよいでしょう?

これは、考えているだけでは分かりません。

実際に市場に触れ、反応から推察するしかなく、
・書類通過率
・提示される年収レンジ(たいてい書類選考直後段階で見積もられています)
・企業やエージェントからの評価コメント
などを通じて判断するしかありません。

これらは極めて現実的な指標です。
市場価値は「市場の反応」で決まるものなので、
どうしても外部評価が必要になります。

しかし、たとえばお見送りになった企業から
「41歳、日系SIerで7年勤務、マネジメント経験なし、950万円。
弊社のテーブルではマネージャー相当の年齢のため、マネジメント経験の欠落は大きなマイナス。
もう2つ3つ10人以上のPM経験があれば検討対象」
などというFBが届くと、今後の指標となりうる大変有益な情報となります。

 

9. まとめ

40代エンジニアの市場価値は、
決して下がるしかないものではありません。

しかし、放置すれば確実に下がります。

大切なのは、年齢ではなく、役割が更新されているかどうか。
自身の提供出来る価値をブラッシュアップし続けること。

それが、40代以降も市場価値を高めていくための鍵です。

 

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