SELECTION METHODS

選考対策

書類選考

書類選考

2024.03.25

1.基本的な考え方

応募書類の持つ二種類の性格を理解する

過去の事実を客観的に説明する書類としての性格

応募書類は、あなたの職歴や学歴、資格など、過去の経験や成果を客観的に伝えるための重要なツールです。これらの書類は、あなたのキャリアの事実を面接官や人事担当者に伝える基盤となります。正確かつ具体的な情報を提供することで、あなたの経歴が明確に理解され、評価の基準となります。したがって、日付、役職、達成した成果など、詳細な情報を丁寧に記載し、あなたのプロフェッショナルな経歴を正確に伝えることが重要です。

自身という商品を売り込むPR書としての性格

一方で、応募書類は自己PRのための強力な手段でもあります。これは、あなた自身を「商品」とみなし、その魅力や強み、特技や成果をアピールするための機会です。履歴書や職務経歴書には、単に過去の事実を列挙するだけでなく、それらがあなたの能力やポテンシャルをどのように示しているのかを強調することが求められます。例えば、特定のプロジェクトでの成功体験や、チーム内でのリーダーシップの発揮、特定の問題を解決した経験などを通じて、あなたの独自の価値を伝えることができます。

面接時、面接官の手元に置かれることを意識する

質問は記載内容をもとに飛んでくるので、書いた内容を忘れない

面接の際、面接官はあなたの履歴書や職務経歴書に記載された情報を基に質問を行います。これは、あなたの過去の経験や成果について深堀りする機会を提供し、どのようにその経験が新しい役割に役立つかを理解しようとするものです。そのため、自己申告した内容を正確に覚えておくことが非常に重要です。事前に自分の書類を復習し、どのようなプロジェクトに取り組んだか、どのような成果を上げたかを含め、詳細にわたって自信を持って話せるようにしておく必要があります。

質問を想定し、回答を用意しておく

効果的な面接準備の一環として、面接官がしてくる可能性のある質問を事前に想定し、それに対する回答を準備しておくことが勧められます。これには、自分の経歴書や職務経歴書に記載されている情報から派生する質問や、一般的な行動指向型の質問(過去の特定の状況でどのように行動したか、どのような結果が得られたかなど)が含まれます。このプロセスを通じて、自分の経験と能力を具体的な例を挙げて説明することができ、面接官に対して自己の適合性をより効果的に伝えることが可能となります。

2.履歴書の書き方のコツ

事実を淡々と記載する

履歴書では、過去の経歴や成果を事実ベースで淡々と記載するのが基本です。在籍企業名、在籍期間など確定的な情報をそのまま書き込んでいきましょう。変に意識してアピール文を挿入する必要はありません。アピールは職務経歴書で行うと考え、読みやすさを重要視して、端的な記載に終始しましょう。

誤字や脱字はNG

履歴書は求職者の第一印象を形成します。誤字や脱字があると、求職者が自分の仕事に真剣に取り組んでいるかどうかについての疑念を持たれる可能性があります。書類全体の品質が低く見え、企業側からの信頼を失う可能性があり、選考対象外となることも考えられます。誤字や脱字は、プロフェッショナルなイメージを損なうため、丁寧にチェックすることが重要です。

顔写真には拘る

顔写真は第一印象を左右する重要な要素です。清潔感があり、自信を持っている様子が伝わる写真を選ぶことが重要です。背景がシンプルで明るく、服装もビジネスカジュアルなど適切なものを選びましょう。また、笑顔で明るく、カメラを見据えた自然な表情が望ましいです。

西暦?和暦?

履歴書では西暦を書くのが一般的です。西暦の方が日付を理解しやすく、国際的な視点からも理解されやすいため、採用担当者にとってもわかりやすいです。特別な理由がない限り、西暦を使用することをお勧めします。

アルバイトの経歴は記載すべき?

コンサル会社への転職を考える場合、アルバイトの経歴を履歴書に含めるかどうかは状況によります。もしアルバイトの経験がコンサルティング業務に関連するスキルや経験を示すものであれば、積極的に記載することができます。ただし、経験が直接関連しない場合や、履歴書が過度に長くなる場合は省略することもあります。その際は、履歴書の他の部分に焦点を合わせ、最も関連性の高い経験やスキルに重点を置くことが重要です。

趣味/特技欄はどのように記載すべき?

趣味や特技欄は、自己紹介や個性を表現する場所です。以下のようなポイントに注意して記載すると良いでしょう。

具体性を重視する: 一般的な趣味や特技だけでなく、具体的な活動や興味を記述します。たとえば、読書や旅行など一般的な趣味ではなく、特定のジャンルや本、訪れた場所などを挙げると良いです。

関連性を示す: 趣味や特技が仕事や志望する職種にどのように関連しているかを示します。たとえば、リーダーシップやチームワークを示す活動や、自己表現やコミュニケーション能力を向上させる活動などを挙げます。

ポジティブであること: 趣味や特技を通じて、自分のポジティブな側面や能力をアピールします。たとえば、努力家であること、チャレンジ精神があること、柔軟性や創造性があることなどを示します。

誇張やウソは避ける: 実際に興味を持ち、経験したことや得意なことを正直に記述します。虚偽の情報は信頼性を損なう原因になりますので、避けるようにしましょう。

適度な幅を持たせる: 趣味や特技は多様性を持たせることが重要です。仕事とのバランスを取りながら、異なる面を示すことで個性を豊かに表現します。

免許、資格は正式名称で

履歴書の免許や資格は正式名称で記載するのが一般的です。正式名称を記述することで、雇用主がすぐに理解しやすくなりますし、その資格や免許が持つ価値が明確に伝わります。また、免許や資格の取得年月や発行機関なども併せて記載すると、より情報が具体的になります。

その他要望欄には何を書けばいい?

履歴書のその他要望欄に以下のような内容を記載すると良いでしょう。以下のような内容が考えられます。

・退職日・入社可能時期

・連絡が取れる時間帯

・希望職種がある場合

・勤務地に希望がある場合

給与や休日などの待遇面を書いたり、前述した内容でも理由を添えずに記載をするとただの我儘のように受け取られかねません。

3.職務経歴書の書き方のコツ

職務要約はどうやって書くべき?

職務要約は、過去の職務経験や業務内容を簡潔にまとめたものであり、自身のスキルや経験をアピールする重要な部分です。要約を記述する際には、以下のポイントに注意すると良いでしょう。

まず、各職務経験における担当業務やプロジェクトの概要を明確に記述します。具体的には、担当した業務やプロジェクトの目的、範囲、および自身の役割や責任を説明します。これによって、自身の職務経験を読み手に理解してもらうことができます。

次に、各業務やプロジェクトで達成した成果や実績を強調します。具体的な数字やデータを用いて、自身の貢献や成果を客観的に示すことが重要です。また、達成した成果や実績がどのように組織やプロジェクトに貢献したかについても明確に記述します。

あわせて職務経験において使用したスキルやツール、技術についても記述します。具体的なスキルやツールの名前、使用した経験の有無、および習熟度を示すことで、自身の能力や専門性を証明します。

冗長な表現や余計な情報を省き、要点を端的に伝えることが重要です。読み手がすぐに理解できるような、明確でわかりやすい文章にすることを心がけましょう。

なるべく定量的に記載する

定量的なデータや数値を活用して記載することが有益です。定量的な記述は、自身の業績や実績を客観的に示すことができ、読み手により具体的なイメージを提供します。

例えば、達成した成果や実績に関する具体的な数字や割合、期間などを記載することで、自身の能力や貢献度を明確に証明することができます。

また、定量的な記述は、他の候補者との比較や評価の際にも有益です。ただし、すべての内容を定量的に記載する必要はなく、定性的な要素も併せて記述することで、より豊かな情報を提供することができます。

読んで欲しい内容をなるべく上の方に

職務経歴書では読み手が最初に目にする部分に、特に重要な内容やアピールポイントを配置することが一般的です。読み手は通常、職務経歴書の最初の数行や最初のページに注目し、その後に興味を持った場合に詳細を読む傾向があります。そのため、職務経歴書の最初の部分に、自身のキャリアでの主な業績や実績、特に関連性の高いスキルや経験、目指すポジションに対する適性などを記載することで、読み手の興味を引きやすくすることが重要です。

事実や履歴書と矛盾があってはダメ!

職務経歴書と履歴書の間に矛盾があると、信頼性や信用性に影響を与える可能性があります。採用担当者は、応募者の情報が一貫しているかどうかを確認し、真実性を評価します。したがって、職務経歴書と履歴書の間で矛盾が見られると、応募者の信頼性に疑問が生じる可能性があります。そのため、応募書類を作成する際には、正確で一貫性のある情報を提供することが重要です。

人事に受ける内容とは?

人事担当者の目に留まる職務経歴書を作成する際には、以下のポイントに注意してください。

具体的な成果を強調する

数値や具体的な成果を記載し、自身の業績や貢献を示します。例えば、プロジェクトで達成した目標や顧客からの評価などを挙げます。

コンサルタントとしてのスキルや経験を強調する

問題解決能力、リーダーシップ、コミュニケーション能力など、コンサルタントとして重要なスキルや経験をアピールします。

クライアントやプロジェクトの詳細を記載する

受け持ったプロジェクトや担当したクライアントの業界や規模、実施した業務の詳細を具体的に記述します。

課題・目標・アクション・結果 (PAR) メソッドを活用する

職務経歴書の記述には、「課題 (Problem)」、「目標 (Action)」、「アクション (Action)」、「結果 (Result)」の4つの要素を含めることで、自身の業績や成果を効果的に伝えることができます。

専門用語や業界用語を適切に使用する

コンサルティング業界や関連する業界の専門用語やキーワードを適切に使用し、専門性や知識をアピールします。

過去の経験と今後のキャリア目標を結びつける

過去の経験や実績を通じて、今後のキャリア目標や志向性を明確にし、コンサルタントとしての成長や貢献につながることを示します。

これらのポイントに留意しながら、具体的なプロジェクトや成果を強調し、コンサルティング業界での価値を示すように努めてください。

活かせるスキル、経験には何を書けばいい?

問題解決能力

複雑な課題やビジネス上の問題に対して、分析力や論理的思考を駆使して解決策を提案し、実行に移す能力が重要です。

コミュニケーション能力

クライアントやチームメンバーと円滑にコミュニケーションを図り、情報を適切に共有し、意思疎通を図る能力が求められます。

分析・調査能力

データを分析し、市場や競合情報を調査し、その結果をもとに戦略や施策を立案する能力が必要です。

プロジェクトマネジメント能力

プロジェクト全体を管理し、スケジュールや予算を遵守しつつ、チームをリードして目標達成に向けて効果的に働く能力が重要です。

クライアントマネジメント能力

クライアントとの関係を構築し、要件や期待を把握し、クライアントのニーズに応えるサービスを提供する能力が求められます。

チームワーク

チームでの協力や協調性を発揮し、他のメンバーとの連携を図りながら、プロジェクトの成功に貢献する能力が重要です。

プレゼンテーションスキル

複雑なアイデアや解決策をわかりやすく伝える能力が求められます。明確で説得力のあるプレゼンテーションができると良いでしょう。

4.志望動機書の書き方のコツ

対象企業に即して具体的に書こう!

コンサル業界で転職を考える際、志望する企業について具体的に説明することが重要です。なぜその企業に興味を持ち、その企業で働きたいのかを明確に示すことが、書類選考を通過し面接の機会を得るための第一歩です。例えば、貴社のビジョンやミッションに共感し、取り組むサービスやプロジェクトに興味を持っている点を具体的に述べましょう。また、貴社の特徴や強み、過去の実績に触れ、自身の志望動機とリンクさせることで、書類の内容がより具体的で魅力的になります。

どんな点に興味をもっているのか?

志望動機書では、自身の興味や関心を明確に示すことが重要です。興味を持つポイントを特定し、それについて具体的に説明しましょう。例えば、業界のトレンドや課題について調査し、自身の経験やスキルを活かして解決に貢献したいという意欲を示すことが有効です。また、応募先企業が提供するサービスや取り組むプロジェクトに興味を持ち、そこで自身の成長や挑戦の機会を見出していることを明確に表現しましょう。

例文:

「貴社では、デジタルトランスフォーメーションに関するプロジェクトやイノベーション戦略の策定に積極的に取り組んでいるという点に興味を持っています。特に、データアナリティクスや人工知能の活用によるビジネスプロセスの最適化や効率化に関する取り組みに魅力を感じています。私自身も過去にデータ分析プロジェクトに携わった経験があり、ビジネス上の課題をデータに基づいたアプローチで解決することの重要性を痛感しています。このような先進的な取り組みに参加し、私のデータ分析スキルや問題解決能力を活かして貴社のクライアントに価値を提供したいと考えています。」

この例文では、志望企業がデジタルトランスフォーメーションに注力していることに興味を持っていることが示されています。さらに、具体的な取り組みや技術に触れ、自身の経験やスキルを活かして貢献したいという意欲が表現されています。興味を持っている点を深堀りする際には、企業の取り組みや価値観について十分に調査し、それに自身の経験や関心をリンクさせることが重要です。また、自身の経験やスキルを通じて企業にどのような価値を提供できるかを具体的に示すことで、志望動機書の説得力を高めることができます。

自分はどんな貢献ができるのか?

志望動機書では、自身の強みや得意分野、貢献できる点を明確に示すことが求められます。過去の経験やスキル、成果を具体的に挙げ、それを活かして貴社でどのような価値を提供できるかを明示しましょう。例えば、データ分析やプロジェクトマネジメントの経験を通じて培った能力や、チームワークやコミュニケーション能力を活かして、応募企業のプロジェクトに貢献したいという意欲を示すことが重要です。自己分析をしっかり行い、以下のポイントを押さえて自身の強みを的確にアピールしましょう。

具体例を挙げる: 抽象的なスキルや能力だけでなく、具体的な事例や成果を挙げて説明しましょう。例えば、プロジェクトリーダーとしてチームを率い、売上を10%向上させた経験や、データ分析を通じてコスト削減や効率化を達成した事例などを具体的に示すことで、自身の貢献度を明確に伝えることができます。

応募企業の課題やニーズに合わせる: 自身の経験やスキルを、応募企業が抱える課題やニーズにマッチさせることが重要です。応募企業が直面している課題や将来のビジョンを事前に調査し、自身の強みがその解決にどのように貢献できるかを具体的に述べましょう。例えば、応募企業がデジタル化に取り組んでいる場合、自身のITスキルやデジタルマーケティングの知識がどのように役立つかを具体的に示します。

アクションプランを提案する: 自身が貢献できると考える具体的な方法やアクションプランを提案しましょう。例えば、最初の数ヶ月で新しいプロセスを導入し、効率化を図ることや、特定のプロジェクトに参加し、成果を上げるための戦略を立てることなどを具体的に述べます。これにより、人事担当者は自身の貢献イメージをより具体的に把握しやすくなります。

まとめ

転職活動では、応募書類を通じて自身の過去の実績と将来への貢献を効果的にアピールすることが重要です。履歴書や職務経歴書は、事実を基にしながらも自己PRの側面を忘れずに、面接官が関心を持ちそうなポイントを明確に打ち出すことが求められます。特に、職務経歴の具体性や志望動機の明確さは、転職成功の鍵を握っています。ンサルタント転職を考える方々は、これらのポイントを押さえて、より高みを目指す転職活動に挑んでください。